防災に関わる消防・建築の資料集です

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建築設備検査・防火設備検査

建築基準法に基づき、事故や災害等を未然に防止するために建築物に設けられている建築設備・防火設備の状態を検査し、毎年報告していただくものです。
検査対象の建築設備の所有者又は管理者(所有者からその建築設備について維持管理上の権限を委任された方)は、検査を実施し、検査報告書を提出する義務があります。

定期報告及び定期点検の時期

民間等

おおむね6月〜1年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期

※特定行政庁に該当しない市町村の建築物を含む
※国土交通大臣が定める検査の項目については1年〜3年まで

国・特定行政庁

1年以内ごと

※国土交通大臣が定める点検の項目については3年以内ごと

法的根拠・罰則について

定期報告制度は、建築基準法の第12条に定められた制度です。
第1項又は第3項で、建築物と昇降機、建築設備について「定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有するものに調査(検査)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない」と記載されています。
又、定期報告をしなかったり、虚偽の報告をした場合は、100万円以下の罰金処分を受ける可能性があります。

建築設備検査・防火設備検査について

建築設備検査の対象となる設備は3つ又は4つです
  1. 機械換気設備
  2. 機械排煙設備
  3. 非常用照明装置
  4. 給水設備及び排水設備
    (※行政庁により対象外のところも多い)

・機械排煙設備の検査では、排煙機本体と各フロアの区画に設置された排煙口での風量を測定します。

・機械換気設備では主にガス機器等のある「火気使用室」と、外気に面する窓のない「無窓の居室」の換気量を測定します。

・非常用照明の検査では、点灯確認に加え、避難経路の照度測定も行います。火災等で電源が失われた場合でも、安全に避難ができるように最低限の照度が確保されているかチェックしなければなりません。

防火設備検査の対象となる設備は主に4つになります
  1. 防火扉
  2. 防火シャッター
  3. 耐火クロススクリーン
  4. ドレンチャー等

・近年の火災事故で、防火設備が適切に機能しなかったために被害が拡大したとして、平成28年6月1日施行の法改正で防火設備の定期検査が新設されました。目視での状況確認はもちろんですが、感知器との連動、実際の作動状況を確認することに主眼がおかれています。

・耐火クロススクリーンやドレンチャーといった防火設備が設置されている建物は比較的少ないといえますが、防火扉、防火シャッターは大半の建物に設置されています。ただし、今回の報告対象となる防火設備は「随時閉鎖式」のものとなります。つまり、連動機構などがなく常に閉鎖状態にしてある防火扉は対象となりません。火災時に自動的に閉鎖するものが対象となります。所有・管理されている建物にどういった防火設備が設置されているか、そして報告対象となるかを判断しなければなりません。

建築設備検査・防火設備検査の対象となる建物

「安全上、防火上又は衛生上特に重要である建築物等」については、政令により一律に定期報告の対象。
それ以外の建築物等については、特定行政庁が地域の実情に応じ指定するもの。

特定建築設備等 昇降機
特定建築物に設けられる建築設備(昇降機を除く)及び防火設備

現行
特定行政庁が指定する建築設備等
改正後(案)
政令で指定する建築設備等
特定行政庁が指定する建築設備等

定期報告の対象となる建築物・昇降機・防火設備【政令指定】※建築設備については政令では指定しない

建築物
対象用途 対象用途の位置・規模
劇場、映画館、演芸場
  1. 3階以上の階にあるもの
  2. 客席の床面積が200m2以上のもの
  3. 主階が1階にないもの
  4. 地階にあるもの
観覧場(屋外観覧場を除く)、公会堂、集会場
  1. 3階以上の階にあるもの
  2. 客席の床面積が200m2以上のもの
  3. 地階にあるもの
病院、有床診療所、旅館、ホテル、就寝用福祉施設(別紙参照)
  1. 3階以上の階にあるもの
  2. 2階の床面積が300m2以上であるもの
  3. 地階にあるもの
体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場(いずれも学校に附属するものを除く)
  1. 3階以上の階にあるもの
  2. 床面積が2,000m2以上であるもの
百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、 ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗
  1. 3階以上の階にあるもの
  2. 2階の床面積が500m2以上であるもの
  3. 床面積が3,000m2以上であるもの
  4. 地階にあるもの

※病院、有床診療所については、2階の部分に患者の収容施設があるものに限る

昇降機
対象 例外
エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機(フロアタイプ)
  • 住戸内のみを昇降する昇降機
  • 工場等に設置されている専用エレベーター(労働安全衛生法施行令第12条第1項第6号に規定するエレベーター)
防火設備(防火扉、防火シャッター)
対象 例外
前々項にある建築物の防火設備、病院・有床診療所又は就寝用福祉施設※1の防火設備
  • 常時閉鎖式※2の防火設備
  • 防火ダンパー
  • 外壁開口部の防火設備

※1 該当する用途部分の床面積の合計が200m2以上のもの
※2 普段は閉鎖された状態となっており、開放してもドアクローザーなどで自動的に閉鎖状態に戻る方式のもの

準用工作物
対象 例外
観光用エレベーター・エスカレーター、コースター等の高架の遊戯施設、メリーゴーラウンド・観覧車等の原動機による回転運動をする遊戯施設 なし

定期報告の対象となる建築物(就寝用福祉施設)【政令指定】

就寝用福祉施設(下表に掲げる用途をいう)については、利用者が高齢者、障害者、妊産婦など火災時の避難に時間 を要すると考えられる状態であることと、就寝時には火災の発生に気づくのが遅れるということに配慮し、避難上の安全を確保する観点から、定期報告の対象として指定している。

就寝用福祉施設 備考欄
サービス付き高齢者向け住宅 ※「共同住宅」「寄宿舎」「有料老人ホーム」のいずれかに該当
認知症高齢者グループホーム、障害者グループホーム ※「寄宿舎」に該当
助産施設、乳児院、障害児入所施設
助産所
盲導犬訓練施設
就寝用福祉施設
救護施設、更生施設
老人短期入所施設
小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護の事業所 ※「老人短期入所施設」に該当
老人デイサービスセンター(宿泊サービスを提供するものに限る) ※「老人短期入所施設に類するもの」に該当
養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム
母子保健施設
障害者支援施設、福祉ホーム、障害福祉サービス(自立訓練又は就労移行支援を行う事業に限る)の事業所(利用者の就寝の用に供するものに限る)

検査費用・見積について

遠方地域でも建築設備検査・防火設備検査をしてもらえますか?

弊社のサービスエリアは、三重県、愛知県、岐阜県、滋賀県、奈良県など本州です。

※これらエリアにおきましても、一部対応できない市町村がございます。ご了承ください。

見積もりをしてもらったら契約しないといけないのでしょうか?

条件等が合わないと判断された場合は、断っていただいて結構です。

その他の事で、費用がかかるものはありますか?

建築設備検査・防火設備検査実施後の、不良内容改修・改善は、別途費用が発生します。
改修・改善お見積もりは、無償にて作成いたします。

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